研究テーマ

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有機・無機複合化による材料の高機能化 関連

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内容

有機―無機ハイブリッド材料

高絶縁・高耐熱性・高柔軟性を共立する硬化体の作製技術

有機材料(有機分子)と無機材料(金属,セラミックスなど)を分子レベルで複合化した有機―無機複合材料(ハイブリッド材料)では,有機材料,無機材料それぞれ単独ではありえない高い機能性をもつことがあります。本研究室では,シリコーンゴムの原料として知られるポリジメチルシロキサン(PDMS)を有機成分とするハイブリッド材料(PDMS系ハイブリッド)の高機能化に関する研究を行っています。一般的な樹脂材料では実現困難な,高絶縁性・高耐熱性・高柔軟性という特性を合わせもつ硬化体材料実現を目的に研究を行っています。

200℃長期保管で低弾性を維持する硬化体の作製技術

半導体素子を光、熱、湿気、ほこり、物理的衝撃などから保護するために,樹脂材料により覆われています。この保護材料は封止材(材料)と呼ばれます。素子の動作温度の高温化により,封止材にも耐熱性が求められています。低硬度型封止材としての応用を目指して,PDMS系ハイブリッド材料の原料であるPDMSの分子構造・末端基構造を調整することで,高温で長期保管しても特性が変化しない樹脂硬化体を作製することを試みています。

有機―無機ハイブリッド材料とセラミックス粒子の複合化による高機能化

樹脂材料とセラミックス粒子の複合体(コンポジット)は,接着材,接着シート,放熱シート,絶縁シートなどへの応用が可能です。PDMS系ハイブリッドをマトリクス材料(母材)とすることで,柔軟性,応力緩和性に特長をもつさまざまな機能性材料の創製を試みています。

伸縮性フレキシブル基板材料・伸縮性フレキシブル配線材料の開発

有機エレクトロニクス分野で開発の進んでいる,高い伸縮性が要求されるウェラブルデバイス向けのフレキシブル基板材料や配線材料の開発を行っています。

電気泳動堆積(EPD)法を利用した樹脂―セラミックス複合膜の作製

高絶縁放熱基板(メタルコア基板)開発

自動車用パワー半導体や高出力LEDを利用する場合,放熱と熱管理が必要になります。放熱技術の一つとしてメタルコア基板があります。メタルコア基板は,熱伝導性に非常に優れる金属上に熱伝導性をもつ絶縁層を形成し,その上に金属薄膜・金属箔を形成するもので,構造上,高い放熱特性が期待されます。放熱絶縁層として,電気泳動堆積法により形成される樹脂(PDMS系ハイブリッド)―セラミックス複合膜を用いることで,耐熱性,絶縁性,放熱性,応力緩和性に優れたメタルコア基板の創製を目指しています。

異種材料接合技術への応用

パワー半導体は家電機器から,車載機器,送配電システムまで幅広く活用されています。従来のSi半導体に比べて,より高温での動作が可能なSiC半導体は動作温度が200℃以上に高温化します。そのため,これら半導体の実装基板には,高温環境下で異種金属同士あるいは金属/セラミックス同士の接着を維持し,放熱性に優れた接合部の形成が必要となります。電気泳動堆積法により形成される樹脂(PDMS系ハイブリッド)―セラミックス複合膜により,接着強度,応力緩和性,放熱性に優れた接着を可能にすべく,研究を行っています。

照明用高反射基板の作製技術への応用

LEDは熱に弱いという特性があるため、LED照明用基板は,LEDからの発熱を効率よく放熱できる基板である必要があります。さらに基板表面の拡散反射率を高めることでLEDからの直接光だけではなく,基板からの反射光も利用することでLED照明の総合発光効率を高めることができます。EPD法を利用した樹脂―セラミックス複合膜を用いて高放熱性・高絶縁性・高反射率表面を持つ基板の作製方法に関する研究を行っています。

空孔をもつ酸化膜の封孔処理

陽極酸化法やプラズマ電解酸化法などの手法で金属上に形成される酸化膜は,機械強度に優れますが,微細な空孔構造をもつため,絶縁性,耐腐食性を必要とされる用途に用いるためには,孔をふさぐ「封孔処理」が必要になります。電気泳動堆積法を利用した封孔処理による酸化膜の高性能化に関する研究を行っています。

撥水コーティング技術応用

自然界に存在する撥水・防汚表面として,ハスの葉が知られています。ハスの葉は,マイクロメータオーダーの凹凸表面にサブミクロンオーダーの疎水性物質の突起構造体がのっかった「階層状凹凸構構造」を持っています。本研究室では,電気泳動堆積法を利用して,階層状凹凸構造を構築し,超撥水表面を形成する技術について研究を行っています。耐熱性・撥水性に優れる有機・無機複合膜を原料とすることで,長期耐熱性を有する防汚表面の形成を目指しています。

高 電 圧 絶 縁 技 術 関 連

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内容

固体絶縁材料の部分放電

エポキシ樹脂複合体への長期課電による放電劣化測定と絶縁寿命推定

エポキシ樹脂複合体は電気絶縁特性や機械強度に優れており,現代社会の電気エネルギー利用を支える変圧器や回転機などの電力関連機器の固体絶縁材料として広く用いられています。しかし,長期間にわたって大電圧をかけていると,樹脂複合体内部に欠陥が発生して絶縁劣化が進んでいきます。欠陥で発生する部分放電を測定することで,欠陥の発生と成長を把握し,絶縁寿命を把握することを目的とした研究を行っています。

室温硬化樹脂用スズフリー硬化剤の開発 関連

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内容

室温硬化樹脂用スズフリー硬化剤の開発

室温硬化樹脂用スズフリー硬化剤

有機スズ化合物はポリウレタンの製造、シリコーンゴムの硬化剤等に広く用いられていますが,REACH規則(EU欧州連合が人の健康や環境保護のために定めた、化学物質とその使用の管理に関する欧州連合規則)により,使用が制限されています。室温硬化樹脂用のスズフリー硬化剤の開発を行っています。

透明硬化樹脂作製用の触媒

樹脂を硬化させる場合に,着色が問題となる場合があります。スズフリーで,かつ,着色のない硬化体が得るための室温硬化樹脂用硬化剤の開発を行っています。